栗きんとんの魅力的な味わいを引き出すためには、さつまいもの選択が重要なポイントとなります。
さつまいもが好きな私は、様々な種類の芋で試作を重ねてきました。
それぞれに個性的な美味しさがありますが、今日は特におすすめの一品に注目したいと思います。
手に入りやすさも考慮して、スーパーマーケットで見かける「鳴門金時」を特に推奨します。
栗きんとんのような日持ちするスイーツを作る場合、水分量が多い芋は避けるのがベストです。
さつまいもは、時間が経過するにつれて水分が蒸発し、デンプンが糖に変わり、より甘くなっていきます。
鳴門金時は8月から9月にかけて収穫され、秋から冬にかけてが最もおいしい時期です。
見た目にも美味しそうな鳴門金時を見つけたら、是非栗きんとん作りに挑戦してみてください。
なお、鳴門金時は栗きんとんだけでなく、天ぷらや焼き芋など、様々な料理にも使える万能芋です。
もしスーパーで鳴門金時が見つからない場合は、同じく汎用性の高い「金時いも」を試してみるのも良いでしょう。
栗不使用の芋きんとん:最良の選択は「甘み豊かなさつまいも」
栗きんとんは、伝統的な和菓子の一つで、主に栗、さつまいも、そして色づけのために使われるくちなしの実から作られます。
しかし、栗が入手困難な場合、それでも美味しい「芋きんとん」を作ることができます。
この芋きんとんでは、栗の代わりに甘味が際立つさつまいもを使用します。さつまいもの選び方が、この和菓子の鍵となります。
特に、甘さが特徴の品種を選ぶことで、栗の代替としても十分な美味しさを引き出せます。
従来のさつまいもは「ほくほく」とした食感が魅力でしたが、最近では「蜜芋」と呼ばれるような、よりしっとりとして甘みが強い品種が人気を集めています。
これらの品種は、スーパーマーケットでも見かけることが多くなりました。
これらの甘みの強いさつまいもを選ぶことで、芋きんとんは一層の美味しさを引き出します。
今回は、そんな特別な甘さを持つさつまいもの品種をいくつか紹介し、芋きんとん作りに最適なものを選び方をご案内します。
これらの品種を使えば、栗がなくても、満足のいく甘みと食感を楽しむことができるでしょう。
魅惑の紅はるか:新世代さつまいもの典型
「紅はるか」は、その名の通り「遥かに甘い」という特徴で市場に登場した比較的新しいさつまいもの品種です。
このさつまいもは、甘みが強く、しっとりとした食感が特徴で、和菓子作りに最適な素材として注目されています。
この品種の最大の魅力は、適度な「ねっとり感」と「ほくほく感」のバランスです。
食べ応えがありながらも、派手すぎない上品な食感が特徴で、後味がすっきりとしているため、様々なスイーツレシピに適しています。
特に焼き芋やスイートポテトなど、さつまいもを主役とするスイーツにおいて、その特性が存分に活かされます。
シルクスイート:滑らかさの極致
「シルクスイート」は、まるで絹のように滑らかな食感が特徴の新しいさつまいもの品種です。
このお芋は、ほくほくとねっとりの良いところを兼ね備えた、まさに「いいとこ取り」の品種。
後味のすっきり感も特筆すべき点で、お芋愛好家の間で高い人気を誇っています。
シルクスイートのなめらかさは、和菓子、特に栗きんとん作りにおいて非常に重宝されます。
しかしながら、この品種はスーパーマーケットで見つけるのが少し難しい場合があります。
幸運にも見つけた際には、ぜひ購入をお勧めします。
さらに、シルクスイートは時間をかけて熟成させることで、その味わいが飛躍的に向上します。
約2ヶ月間寝かせることで、これまでに体験したことのないほどの美味しさを引き出すことができます。
この驚くべき変化は、さつまいもの新たな魅力を発見する絶好の機会となるでしょう。
安納芋:甘さの極みを味わう
安納芋は、近年、日本国内でその知名度と人気を急速に高めているさつまいもの品種です。
例えば、コンビニエンスストアでは安納芋ペーストを使った中華まんが登場するなど、多くの商品でその甘さが活かされています。
このさつまいもは特に甘みが際立っており、そのねっとりとした食感はまるで高級スイーツのよう。
その水分量の多さは、安納芋の特徴的な甘さの源であり、まさにこの品種の魅力の一つです。
特筆すべきは、中に含まれる蜜の存在。糖度が40度を超える例もあり、これはさつまいもとしては驚異的な数値です。
安納芋は収穫後に適切に寝かせることで、その糖度がさらに高まります。
最適な保管方法は、新聞紙で一つ一つ丁寧に包み、段ボール箱などに入れて保存すること。
この方法で保管すると、安納芋はさらに甘みを増し、栗きんとん作りにおいても、その風味が一層際立つことでしょう。
砂糖不要!レンジで作る簡単安納芋栗きんとん:色良し・柔らかさ抜群・甘さ溢れる
ここで、安納芋を活用した手軽で美味しい「簡単栗きんとん」の作り方をご紹介します。
①まずは、安納芋の皮をしっかり厚めに剥きます。薄く剥いてしまうと、黒ずむ恐れがあるため、厚めに剥くことがポイントです。
②次に、レンジ用の容器に水を入れ、安納芋を30分程度水に浸してアクを抜きます。この際、水は途中で数回替えるのがおすすめです。
③アク抜き後、水を新しくし、くちなしの実を加えてレンジで加熱します。600ワットの電子レンジで5〜6分が目安です。
④加熱後、芋が柔らかくなっていれば、水気を切って芋をつぶします。裏ごし、フォーク、マッシャー、フードプロセッサー、ハンドミキサーなど、使いやすい道具でOKです。
⑤つぶした芋をさらになめらかにするため、再びレンジで加熱します。ここでも600ワットで2分程度が目安です。
⑥最後に、栗の甘露煮を混ぜ合わせて、栗きんとんの完成です!
この方法なら、煮込む手間が省ける上、安納芋の自然な甘みで砂糖やみりんの使用を抑えることができます。
電子レンジを使うことで、時間も節約でき、手軽に美味しい栗きんとんが楽しめます。
是非お試しいただき、その美味しさをご自宅で堪能してください。
※レンジでの加熱時間は、お芋の大きさや電子レンジによって異なるため、適宜調整が必要です。
まとめ
皆さん、いかがでしょうか?
ほっと一息つくような温かいお茶が恋しくなる季節がやってきました。
そんな時、手作りの栗きんとんをお茶のお供にすることで、ほっこりとした時間を楽しむことができます。
また、お好みに応じて、レーズンや煮リンゴを加えることで、栗きんとんの味わいにバリエーションを持たせることができます。
手軽に作れる栗きんとんは、食欲の秋をより豊かに彩ります。
自宅でのんびりとした時間、友人とのお茶会、家族の集まりなど、さまざまなシーンでその美味しさを楽しんでいただけたら嬉しいです。
是非、この秋は自家製の栗きんとんで、特別なティータイムを過ごしてみてください。
きっと、いつものお茶の時間が、さらに心温まるひとときになるはずです。